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日本政策金融公庫で利用可能な制度を解説

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日本政策金融公庫で利用可能な制度を解説

「公庫(こうこ)」とも呼ばれる日本政策金融公庫は、政府100%出資の政策金融機関です。民間の金融機関では対応しにくい創業期の事業者や小規模事業者、農林漁業者などに対し幅広い支援を行っています。
そんな公庫が運営する制度について、特に中小企業・小規模事業者がよく利用するものをここで整理します。

3つの事業で構成されている

公庫には下記3つの事業があり、対象とする事業者の規模や業種などが異なります。どの事業の窓口に相談すべきかをまずは確認しましょう。

事業 対象者 特徴
①国民生活事業 ・小規模事業者
・個人事業主
・小口融資中心
・小規模事業者が多く利用
②中小企業事業 ・中小企業者 ・長期資金が主体
・短期運転資金の取り扱いなし
③農林水産事業 ・農林漁業者
・食品産業事業者
・食料の安定供給等に資する長期資金

なお、従業者9名以下の事業者や創業者は、中小企業事業ではなく国民生活事業窓口に相談するよう案内されています。

国民生活事業の主な融資制度

国民生活事業の融資制度にも多数の種類があり、状況に応じた使い分けが可能です。

創業・スタートアップ向け

これから創業する、創業後間もない、という方向けの制度が以下です。「新規開業・スタートアップ支援資金」をベースに、対象者の属性によってさらに有利な枠も設けられています。

制度 対象者 限度額 返済期間
(設備/運転)
新規開業・スタートアップ支援資金 創業者等 7,200万円 20年以内/10年以内
女性、若者/シニア起業家支援関連 女性、35歳未満、55歳以上の創業者 7,200万円 同上
再挑戦支援関連 廃業歴等のある創業者 7,200万円 20年以内/15年以内

事業拡大・経営改善向け

既存事業の拡大や生産性向上などに適した制度もあります。これらの制度では、一般の銀行融資だと難しい長期・固定金利での借り入れが可能です。

制度 対象者 限度額 返済期間
(設備/運転)
新事業活動促進資金 第二創業に取り組む方など 7,200万円 20年以内/10年以内
企業活力強化資金 小売やサービス業等で設備投資を行う方など 7,200万円 同上
観光産業等生産性向上資金 観光事業で生産性向上に取り組む方 7,200万円 同上
事業承継・集約・活性化支援資金 事業承継やM&Aに取り組む方 7,200万円 20年以内/10年以内
ソーシャルビジネス支援資金 NPO法人や介護・保育等の事業者など 7,200万円 同上
海外展開・事業再編資金 海外展開に取り組む方 7,200万円 20年以内/10年以内
環境・エネルギー対策資金 環境やエネルギー対策に取り組む方 7,200万円 同上

業況悪化・危機対応向け

外部環境の変化や取引先の倒産など、突発的な経営悪化に備える制度もあります。企業再建資金や資本性ローンも含め、いずれもほかの融資残高とは別枠で利用できます。

制度名 主な対象者 限度額 返済期間
(設備/運転)
経営環境変化対応資金 外的要因で一時的に業況が悪化している方 7,200万円 20年以内/10年以内
取引企業倒産対応資金 取引先の倒産で経営困難になっている方 3,000万円 ―/10年以内
危機対応後経営安定資金 過去の災害等で債務負担が重くなっている方 7,200万円 ―/20年以内
企業再建資金 金融機関や中小企業活性化協議会の関与を受け再建を図る方 7,200万円 20年以内/20年以内
資本性ローン(挑戦支援資本強化特別貸付) スタートアップ・新事業展開・事業再生に取り組む方など 7,200万円 5年1ヶ月以上20年以内(期限一括返済)

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)

マル経融資とは、「商工会・商工会議所等の経営指導を原則6ヶ月以上受け、推薦を得られる小規模事業者が利用できる制度」です。

融資限度額2,000万円、返済期間10年以内(うち据置2年以内)で、無担保・無保証人のまま利用できる点がほかの制度と異なります。その他の要件としては、商業・サービス業で従業員5人以下、製造業等で20人以下であること、税金を完納していること等が挙げられます。

中小企業事業の主な融資制度

中小企業事業は、中小企業者向けに長期の設備資金や運転資金を提供する事業です。

短期運転資金の取り扱いはなく、まとまった規模の事業資金を長期で借り入れる際に活用されます。以下に特徴的な制度を挙げます。

  • 「スタートアップ支援資金」
    ・・・VC等からの出資など一定の要件を満たすスタートアップ向けの制度。融資限度額20億円、返済期間20年以内(据置10年以内)、無保証人。
  • 「中小企業経営力強化資金」
    ・・・認定支援機関(税理士や金融機関等)の指導・助言を受けて事業計画を策定した方向けの制度。
  • 「挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)」
    ・・・財務体質強化を図る中小企業向けの資本性資金。融資限度額は1社あたり15億円、無担保・無保証人、期限一括返済で、金融検査上は自己資本とみなすことができる。

このほかSDGs推進資金、省力化支援資金、BCP資金など、政策課題に対応した制度も整備されています。

農林水産事業の融資

農林水産事業では、農業者・林業者・漁業者・食品産業事業者を対象に、食料の安定供給の確保や農林水産業の持続的かつ健全な発展に資する長期資金を融資しています。

また、食品産業や農業関連産業(中小企業に限る)向けの資金も用意されています。詳細は日本政策金融公庫支店の農林水産事業担当窓口へ問い合わせて確認しましょう。あるいは担当の税理士や会計事務所に一度相談してみるのも良いでしょう。

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