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相続税の計算方法を知るには順序の理解が大切!納税額の算出で知っておくべき税率や控除制度についても紹介

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相続税の計算方法を知るには順序の理解が大切!納税額の算出で知っておくべき税率や控除制度についても紹介

一定以上の相続財産を得た場合、相続税の計算をし、申告および納税をしなければなりません。しかし、その計算は複雑で、単純にできるものではありません。 複数の計算式にあてはめて段階的に納税額を導き出すことになります。そこで、計算方法を知るには、計算に順序があるということを理解することが大事です。 以下ではこの計算の順序を解説し、各相続人が実際に収めるべき税額を算出するのに重要となる「税率」や「控除制度」についても言及していきます。

相続税の納税額を算出する順序

納税すべき相続税を導くにはいくつかの順序を経る必要があります。 まずは「各人の課税価格の計算」をし、そこから「相続税の総額を計算」します。各々が納める金額を把握するには、一度全体の金額を導き出す必要があるのです。 そしてその後控除の適用などをし、「各人が納めるべき相続税額を計算」します。

各人の課税価格を計算する

まずは、「相続または遺贈により取得した財産の価額」から債務や非課税財産の分を引いて「純資産価額」を算出します(みなし相続財産や相続時精算課税の特定贈与なども考慮する)。

そしてこの純資産価額に、「相続開始前3年以内に受けた贈与分」を足すことで、「各人の課税価格」を導くことができます。

相続税の総額を計算する

続いて、各人の課税価格を足した「課税価格の合計額」から「基礎控除額」を差し引き、「課税遺産総額」を算出します。 ※基礎控除額は法定相続人の数に応じて変動

次に、「課税遺産総額」を、各々が「法定相続分で得た場合の各法定相続人の取得金額」を算出(例:子2人なら2分の1)。さらに「税率」を乗じた「算出税額」を合計することで、「相続税の総額」が導き出されます。

各人が納めるべき相続税額を計算

ここまでで相続税全体の額が導かれました。 ここから各人が実際に収めるべき税額を計算するのですが、「相続税の総額」に、「全体の課税価格のうち各人の得た課税価格の占める割合」を乗じて、まずは「各相続人等の税額」を計算します。

そして以降は、各々の事情に応じて各種控除制度、あるいは加算制度などを適用させて具体的な納税額を算出します。

相続税の「税率」は法定相続分に応じて決まる

前項の順序を見て分かるように、得た財産に直接税率を乗じて納税額を計算するわけではありません。 計算の過程で乗じるものであり、その時点では各人の取得財産の大きさは考慮されません。また、税率が個別の納税額に直接影響するわけではなく、一度合計の処理がなされた後で各人に按分されます。 よって、適用される税率によって相続人間の不平等が生じるわけではありません。

また、適用される税率も法定相続分に応じるのであり、実際に取得した金額では決まりません。 平成27年以後については下の対応表に従って税率および控除額が決まります。

法定相続分に応じた取得額 税率 控除額
~1,000万円 10% 0円
~3,000万円 15% 50万円
~5,000万円 20% 200万円
~1億円 30% 700万円
~2億円 40% 1,700万円
~3億円 45% 2,700万円
~6億円 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

主な控除の種類

基礎控除は常に適用される基本的な控除です。

配偶者控除は配偶者に対してのみ適用されるもので、他の制度とは比べ物にならないほど大きな恩恵が得られる控除となっています。そのため法定相続分を超えて数億円単位の財産を得る場合を除き、配偶者が納税をすることはあまりないでしょう。

他にも以下のような控除があります。

贈与税額控除

「贈与税額控除」は、贈与税を納めたにもかかわらず、二重課税をされてしまった場合の制度です。 相続開始前3年分は贈与であっても相続税の計算に含まれてしまうことから、このような措置が取られています。 よって、この控除は特に納税者にお得な内容ということではありません。

未成年者控除

「未成年者控除」は、国内に住む20歳未満の法定相続人に適用される控除で、幼いほど控除額のお得度が増す形で設けられています。 「(20歳 ― 年齢)×10万円」で計算されますので、19歳なら10万円、10歳なら100万円が控除されます。

障害者控除

「障害者控除」は、国内に住む法定相続人が、85歳未満の障害者である場合に適用される控除です。 未成年者控除と同じく年齢によって控除額が決まります。 「(85歳 ― 年齢)×10万円」の計算式が適用されますので、60歳なら250万円、20歳なら650万円が控除されます。

外国税額控除

「外国税額控除」は、海外で収めた税金との関係で二重課税にならないようにするための制度です。 要件としては、「相続または遺贈により外国の財産を得たこと」「当該財産につき外国にて相続税相当の課税がされていること」の2つがあります。 贈与税額控除同様、お得になるためではなく、損をしないための控除となっています。

相次相続控除

「相次相続控除」は、立て続けに相続が発生した場合に適用される控除です。 例えばある相続が発生し、相続人Aが納税をしたとします。その直後Aが亡くなると、Aの相続人がさらにAの財産から取得した財産につき納税をすることになります。 このとき、実質同じ財産に対して二重課税される形になるため、控除をしてもらえるように制度が設けられているのです。 そこで、少なくとも「1次相続が2次相続の前10年以内に発生していること」という要件を満たす必要があります。

相続税の計算は会計事務所で

ここで説明したのは相続税を計算するための概要に過ぎません。控除の制度も多岐にわたりますし、それぞれにつき要件を満たすことができるかどうか、どれだけの控除が受けられるのか、など実際にはより細かな計算が必要です。 また相続が開始されてから一定の期間内に申告をしなければならず、遺産分割協議など様々な手続きをしなくてはならない相続人の方には大きな負担がかかるでしょう。そこで相続税に関しては会計事務所に一度相談することをおすすめします。間違った計算によりペナルティを受けるリスクを下げられますし、節税の効果も高められるかもしれません。

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