050-3204-0552 (お問合せ専用ダイヤル) 事前にご連絡頂ければ時間外も対応いたします。
お気軽にお問合せください。
営業時間
(月~土)9:00~18:00

年末調整と確定申告の違いとは?対象者や所得控除、両方必要になるケースも紹介

  1. 税理士法人見浪白木会計事務所 >
  2. 顧問契約に関する記事一覧 >
  3. 年末調整と確定申告の違いとは?対象者や所得控除、両方必要になるケースも紹介

年末調整と確定申告の違いとは?対象者や所得控除、両方必要になるケースも紹介

所得税は、1年間に得た所得の大きさに応じて課税がなされます。このときの課税は、納税者側からの報告に基づいて行われるのですが、その報告方法は所得を得た経緯によって異なります。
多くの方に関係しており区別しておく必要があるのが「年末調整と確定申告」です。この記事で両者の違いを整理し、それぞれどのような手続なのか、誰が行うべきものなのか、ということを説明していきます。

年末調整とは

年末調整とは、「給与所得者が勤務先にしてもらう手続」のことです。
つまり“勤務先”という概念のある会社員やパート・アルバイトとして働いている方々に関係する手続です。

これら給与所得者は、毎月支給される賃金から所得税が天引きされています。厳密には源泉徴収として天引きがなされており、所得税額の予想に基づいて計算された額が差し引かれているのです。そのため特定の時期にまとめて所得税を支払う必要がありません。
ただ、あくまで源泉徴収は所得税の予想額に過ぎないため、シフトの入れ方や残業の有無、ボーナスの大きさなどにより本来納税すべき所得税額とずれが生じます。

このずれを修正するのが年末調整です。
ずれの把握ができるようになるのが年末となるため、このように呼ばれています。

年末調整では給与所得者が年間で得た所得の内容や控除分などを会社に報告し、その資料に基づいて会社側が計算。支払い過ぎていたことが発覚すればその分が還付され、不足している場合には追加で徴収が行われます。

確定申告とは

確定申告は、年末調整でカバーできない給与所得者や個人事業主などが「直接税務署に年間所得を申告する手続」のことです。

自営業やフリーランスとして事業所得を得ている方は勤務先がありませんし、毎月の源泉徴収もありません。そのため自分で所得を計算し、特定の時期に申告をしなければならないのです。源泉徴収がされない分毎月の手取りは増えることになりますが、申告時期に所得税をまとめて納めなければなりません。

事業所得を得ている方のほか、年収が2,000万円を超えている方や不動産取引・株取引により所得を得ている方、給与所得者ではあるものの複数の会社から賃金を得ている方なども確定申告が必要です。

年末調整と確定申告の違い

年末調整も確定申告も、正しい額で所得税を納めるために行う手続である点に違いはありません。

しかし次のような違いが挙げられます。

手続を行う主体

年末調整の手続を行う主体は会社です。
従業員も資料を提出するなどの協力は行いますが、手続を主体的に行うわけではありません。

これに対して確定申告は納税者自ら手続を行わなければなりません。

そのため手続にかかる負担が両者で大きく異なります。年末調整で足りる給与所得者は基本的に会社に任せておけば良いため、指示に従って書類を準備するだけで良いのです。しかし確定申告を要する個人事業主などは、年に1度行う申告のために日常的に売上や経費、利益などの情報を整理しておく必要があります。

対象者

上述の通り、年末調整は給与所得者が対象者です。2,000万円を超えている場合や複数の勤務先を持つ場合には年末調整でカバーできませんが、基本的に「会社員」と呼ばれる方が対象となります。

他方、年末調整で対応できない方は確定申告の対象者です。近年はフリーランスとして働く方も増えていますが、この場合、確定申告の事務的負担がかかることも認識しておく必要があります。

利用できる控除

所得税は、給与や利益に対してそのまま課税されて単純に税額が算出されるものではありません。

特に控除制度は納税額を大きく左右することになるため要チェックです。
そして適用させられる控除についても年末調整と確定申告とで差があります。

例えば年末調整では次のような控除が利用できます。

  • 基礎控除
  • 配偶者控除・配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • ひとり親控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 社会保険料控除
  • 障害者控除 など

これに対して確定申告の場合にはさらに次の控除も適用した上で申告が可能です。

  • 医療費控除
  • 寄付金控除
  • 雑損控除
  • 住宅借入金等特別控除

そのため住宅ローン控除の適用を受ける初回の年や、医療費が10万円を大きく超えている、認定NPO等に寄附をしているといったケースでは確定申告をしたほうがお得になる可能性があります。

手続の時期

年末調整は年末、厳密には11月~翌年の1月にかけて行われます。
勤務先の会社によって多少の違いはありますが、おおむねこの時期に手続が実施されます。

確定申告は時期が明確に決まっています。
原則として毎年2月16日~3月15日の間に手続を行わなければなりません。
この時期に遅れると申告義務者にペナルティが課せられるおそれがあります。納めるべき額が増えてしまいます。それも遅れるほど増額していくことになりますので、もし間に合わない場合でもできるだけ早い時期に済ませることが大切です。

提出書類

年末調整を進めるにあたっては、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」や「給与所得者の保険料控除申告書」、「給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書」「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」、その他各種証明書を用意することになります。

確定申告では「確定申告書」「収支内訳書または青色申告決算書」を自分で作成して提出しなければなりません。
さらに、確定申告を“青色申告で行うのか白色申告で行うのか”によっても作成書類の内容は異なります。青色申告の方が細かく情報を記載する必要があり手間がかかりますが、その分高い節税効果が得られます。
経理業務に慣れていない方は申告書等の作成に戸惑うかもしれませんが、会計事務所に任せれば事業に注力しつつ、高い節税効果を得ることも可能です。

税理士法人見浪白木会計事務所が提供する基礎知識

よく検索されるキーワード

ページトップへ